モネのひなげし
遺跡調査で建物のかたちに掘り返された敷地を、額縁で縁取るようにしてひなげしが咲き乱れていました。掘り返された土地の断面にあらわれた地層とひなげしの赤が似合います。クロード・モネは好んでひなげしを描いたことで知られています。「アルジャントゥイユのひなげし(1873)」では、画家の妻と子供らしき二人がひなげしに埋もれながら草原を歩いています。その背後には、不思議なことに同じ二人らしき人物があとを追ってきている。異時同時法といわれるこの表現で、モネは時間の推移を画面に封じこもうとしました。現場でひなげしを見ながら、モネの時間表現を思い出しました。さて、ここにどのような時間の推移を封じこめることができるか。(g)


<<もう一つの始まり | ホーム | ディテールの建築思考>>
コメント
コメントの投稿
| ホーム |